甲高い音が聞こえた。どこかで私を呼ぶような。
「無貌」は自分の中から湧き上がるものを抑えられず
あたりを壊しながら歩いていた。
ただ許せず、ただ泣きながら
ふと、自分と同じような音が聞こえることに気が付いた。
「なんだろう、遠くからよぶこれは」
「わからないけど、自分を守らなくちゃ」
破壊した瓦礫を組み合わせて「盾」を造る。
余ったものと自分の一部を混ぜて「分身」を造った。
自分を守るものを手に入れて、来るものに備えた。
「もう怖いことは嫌だから」